政治家と政商
日本において政治家や官僚とのコネや癒着により、ビジネスをする政商が国家を運営するのは明治初期です。有名な岩崎弥太郎、大倉喜八郎、渋沢栄一、や三井、住友、鴻池などの江戸時代からの御用商人は、明治政府との癒着で利益を確保していました。儲けた資金で政府のために奉仕するバックマージンも当然のように提供しています。明治時代の政治家が失脚してもこうした政商は巧みに生き抜き、現在でも健在です。
ロシアではソビエト連邦崩壊後、政治家と癒着した人々がビジネスを興すようになります。エリツィン大統領時代に癒着して儲けた政商と、プーチン大統領になってから儲ける政商とのふたつのグループに分かれますが、プーチン大統領側の政商の方が有利であることに間違いはありません。そのため、プーチン大統領に反抗的なエリツィン当時の政商は脱税などの嫌疑をかけられて失脚しています。
現在は、グローバル経済でそれぞれの国が持ち味を出して産出したり、製造したり、工作したり、知恵を出したりしてそれぞれの国同士の連携のもとに経済が発達してきました。こうした動きになると政商は一国の利益のためだけに動くと利益が吹っ飛び倒産に追い込まれるかもしれない状態になります。ロシアも同じことで、政商が一国を支える状態ですので国際社会から排除されると貧困に陥るようになります。
現在では、政治家が戦争をおこし敵の領土を占領して富を奪うやり方では利益が出ない世界です。戦争はかつてのように勝利した国に富をもたらす方法ではなくなったのですが、それが証明されるのが21世紀の戦争です。政治家は領土、民族、自己保身にこだわりますが、グローバル経済下では、複雑に絡み合った経済のネットワークを優先させるべきです。そのことを思い知るのがウクライナに侵攻したロシアになりそうです。