共産主義国の悲劇
「共産主義者は、これまでのすべての社会秩序を暴力的に転覆にすることによってのみ、自己の目的が達せられることを公然と宣言する」とはマルクスの「共産党宣言」の言葉です。共産主義国の建国、安泰のためであれば如何なる手段も正当化される。殺人、暗殺、虐殺、でっち上げ、盗聴…ソビエト連邦はそうした国家でした。
すべての人民が平等に暮らせる社会の実現という理想とは裏腹に知識人を排除した計画経済は破綻します。人民は計画的に生産された服を着て、与えられた仕事をし、配給された食事をして、言いたいことも言えない状況に不満を感じます。土地を取られた農民はやる気をなくしますし、農業を知らないで大量生産する農地は荒れ放題になります。
一方、資本主義国家は好きな服を着て、好きな仕事をし、食べたいものを食べ、言いたいことが言える社会ですが貧富の差も拡大します。これは共産主義国家でも同じことで、高級官僚は贅沢な暮らしができますが、どちらの主義であっても貧しい人民はいます。のし上がるにはどちらにいても相当な努力と才覚が必要です。
民主主義とは、人民が主権をもって政治を行える社会です。多くは立候補し選挙により選ばれた政治家が政治を担う仕組みですが、これがくせ者で政権与党の対立候補が立候補できないような仕組みや法律を作っておいて一党独裁のような政治体制を確立しているロシアや香港のような国家もあります。
国民は自由に暮らしているようでも、政治体制に不満を述べれば国家反逆罪に問われ逮捕されます。ロシアでは最長15年の服役刑になるので、国内で不満を述べることは人生を棒に振るようなことになります。国家元首は、何をしても周りはイエスマンばかりなのでやり放題になり、対立する者は粛清されます。
共産主義国家安泰のために暗躍したKGB出身の人が国家元首になれば、元の統制が取れたソビエト連邦を真似するのは当然で、そのためには手段を択ばないのは当然。東ドイツの崩壊を目の当たりにしているので政治に対しての不満分子は逮捕、暗殺、でっち上げなどによって排除しなければ国家が崩壊すると思い込みます。