敵国への侵攻は失敗するのがほとんど
ベトナムでもアフガニスタンでも大国の思惑通りの傀儡政権を樹立しても、国民の支持がなければ崩壊する。ロシアがウクライナに侵攻して、傀儡政権を樹立しても国民が納得しなければロシア軍はいつまでも駐留し続けなければならず、そうなるとゲリラ攻撃にさらされて多大の損害を覚悟しなければならない。
大国対小国の戦争では小国に誘い込み、いっきに攻めるのではなく散発的なゲリラ攻撃によって強国の軍事力を削いでいくのが常套手段。どこに敵がいるのかわからないように相手を攻める。戦場ではない場所で、いきなり地雷やミサイル攻撃して損害を拡大させていく。最新の武装をしている軍隊がいちばん苦手とする戦法。
ナポレオンやヒットラーも簡単にロシアを攻め落とせると思い込んでいたし、日本軍も中国など簡単に攻め落とせると思い込んでいた。アメリカもベトナム軍など簡単に攻め落とせると思い込んで失敗している。ロシアもアフガニスタンでは手痛い目に合っているが、それでも政治家は懲りないらしい。
敵国に進軍するように命令された兵士の士気は上がらないが、攻め込まれた国の兵士や民間人は一致協力して自国から敵国を追い出そうとする。こうした意識の違いは軍備の差を凌駕する。戦争ほどバカバカしいものはなく、お金と時間と資源の無駄使い以外の何ものでもない。自分の思惑通りに他人を動かせないように他国も動かせない。
いったん戦争を始めると死者が出て抜き差しできない状態になり泥沼化する。局地戦から戦場は拡大し、武器や食料の搬送にも被害が出てくる。業を煮やした政治家は、さらなる軍備増強を図り小型の核弾頭ミサイルの使用も考え、早期決着を図るようになる。それが世界に衝撃を与えてますます孤立する。