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事業の多角化

 

ひとつの事業をやっていてもいつまでも儲かるとは限らない。そこで今の事業とは違う業種に進出することで売り上げや儲けを増やすやり方で、バブル絶頂の頃は誰もがやっていた。最も手っ取り早いのが株の売買と土地売買だった。何しろ、どこでもなんでも買っておけば値上がりした時代、借金するほど利益も出てくる。

 

それに今ある事業以外にも他の事業に進出する企業が多かった。製造業なら飲食業や配送業など、いろいろな業種に手を広げてリスク分散し、どこかが損失を出しても、どこかで儲けていれば全体として儲けが出る。分散投資と同じ考え方をビジネスでもやっていたし、それが経営者というものだともてはやされた。

 

しかし、バブルが崩壊し赤字になると本業回帰とばかりに儲からない事業を閉鎖したり、売却していったりした。つまり、リスク回避だったはずの事業の多角化が赤字部門を垂れ流す部門になっていたということ。半導体で儲かっていた企業が原発の企業を買収して倒産しそうになって半導体事業を売却しなければならないといったこともあった。

 

事業の多角化は、中小企業でも行っており、ある事業で儲かったから、別の事業に乗り出して赤字になり、それでもやり続けて本業がおろそかになっていることもある。儲かりますよと話しかけてくる事業で儲けることはなく、自分の目でしっかり確かめ、多くの人の意見を聞き、調査してから判断すべきなのに赤字になってから反省している。

 

僕は本業以外の事業には30年近く手を出していない。しっかり本業を磨き続け、そこで働いてくださる従業員に昇給できるようにしている。もしも、他の事業に手を出して赤字になれば、それは本業で補填しなければならない。皆が納得できる事業運営を任せられるスタッフが出てこない以上、他の事業には手を出さない。

 

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