明治維新の日本は武家政権から議会政治への変革期で、いちばんの問題点は経済をどうするかでした。何しろ、貧乏国家の日本は開国したものの、海外から買いたいものはたくさんあれど、何を売ればよいのかトンと政治家の人にはわからない。戦うことしかできない人の集まりでした。

 

今の日本でも、当選することしか考えられない政治家には、何をすれば企業が儲かるようになるのかトンとわからない。そこで、補助金や低利融資を行うのですが、そこまでの知恵しかありません。かつては第三セクターという民業圧迫をしてホテルやレジャー産業などに進出しましたが、ことごとく赤字になりました。

 

混迷している明治政府にこうすれば日本は豊かになると道を示したのが渋沢栄一で、彼は大隈重信をはじめとする政府の支援も取り付けながら、広く資本を集めて新会社を設立して西欧諸国の近代設備を日本に持ち込み、日本企業を育成していきました。最先端の技術の導入とそれを使える起業家の育成です。

 

この近代化への道を真似てさらに発展させたのが中国で、政府の支援を得ながら最先端技術の導入と技術者の育成に努めました。たった20年で明治維新の日本が激変したように、中国も激変しました。いつの世も国を富ませるには最先端技術の導入と、それを使いこなせる人の教育です。