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あの有名店もダメなのか

 

僕は、若いころアパレルで起業してメーカーやショップを運営していた。半世紀も昔のことなので原宿界隈で自分のデザインした洋服を卸販売したり、原宿界隈の小さなアパレルメーカーのブランド物を仕入れて各地で卸販売したりもしていた。今でも、洋服に関してはチョッとうるさいおじさんかもしれない。

 

最近は、高級ブランドのセレクトショップで有名なユナイテッドアローズがとても素敵なお店だと思っていた。バイヤーの芽がしっかりしており、欲しい、着てみたいと思わせる洋服が素敵に置かれている。そんな有名店がコロナ禍で閉店ラッシュに陥った。理由はもちろん業績の悪化。

 

素敵なお店で働いていた人にすれば青天の霹靂で、まさか自分たちがという思いだろう。アパレル産業はこの半世紀で儲からない産業になっている。古着が売れるようになり、個人がネットで自分の古着を販売するようになり、世界中のアパレルがネットで買えるようになり競争が激化している。

 

売れ筋のデザインもすぐに真似され類似品が出回る。洋服のデザインには特許がないので訴訟もできない。まさに無法地帯で何でもありの業界。そこで生き残るのは至難の業としか言いようがない。僕は将来性がないと31歳でアパレルから撤退して教育産業に進出した。団塊ジュニアの子供たちの波が終われば、そこからも撤退した。

 

仕事をして生き残るには、儲かる仕事をしなければならないことを、身をもって知っているからこそ、次の時代を見据えて転身するが、多くの企業経営者はそうした転身ができないであえいで倒産していった姿をたくさん見てきた。会社の体質、これまでのビジネスモデルにこだわり身を粉にして働いてつぶれていった。

 

ダメなものはダメだと経営者自ら決断して心を決めて何がこれから儲かるのかを見極めてその業界に飛び込む勇気が必要で、そうでなければ経営者として生き残っていけない。そのためには、自分が知らないことにも挑戦して勉強し経験しなければならない。誰かが教えてくれるものではなく自らつかみ取るものだ。

 

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