神様は仲良しになれないの?
日本では神様は、人々のために役に立つものや人で、太陽や雨、政治家や軍人などが神として崇められてきた。神様が大量に生産されてきた日本では、神様同士はお互いに共存していた。台所には神札があり、車には仏様の札があり、結婚式は教会で行い、葬式は仏教で行う。道には地蔵が祀られ、祭りは神社が行う。誰でも死ねば仏様になる。
欧米では神様はひとりで人である。日本のように多くの人が神になることはない。ましてや戦争で亡くなった人を軍神として祀るなどということはない。死んだ人を仏として崇めることもない。こうした考えは欧米では理解しがたいものとなる。万物創世の神はただ一つで、崇高なものとして崇めてきた人達だから。
日本では宗派が違うだけで憎しみあい殺しあうことはない。人々のために尽くした人だから神様として祀ろう。敵国の兵隊だが、死ねば仏様だからしっかり弔ってあげよう。菅原道真のように呪われてはかなわないから神として祀ろう、この河川はいつも氾濫するから神として祀って氾濫しないように祈ろうなど…
漁をして生計を立てているから魚を神として祀るなど、欧米では考えられないことだが、日本人は当たり前のように崇めて手を合わせている。こうした風土の日本で暮らしていると、宗派の違いで憎みあい殺しあう。しかも、それを助長しているのが人殺しをするなと説くべき僧侶なのだから理解しがたい。