日本企業の衰退
テレビドラマの半沢直樹シリーズは、日本を代表する都市銀行を舞台に上司との軋轢を乗り越えていく若い行員を描いている。要するに職場のハラスメントや派閥争い、手抜き仕事や迂回融資など、今の日本企業が抱えている職場内でのゴタゴタを描いている。実際には実行不可能な上司をやっつける姿にスカッとするドラマ。
こうしたことを半世紀もしていれば業績が下がって当然で、日本の大企業は何ら建設的な仕事をしていない。こうした間に諸外国では、新規企業が続々と現れて大企業へと成長し、諸外国の経済発展は目覚ましいものがある。日本の大企業はゴタゴタを抱え成長できないが、それは欧米でも同じこと。成長はいつも新しく起業した人たちが行っている。
起業家が育たない日本と、昔から云われている。日本の教育では起業するための基礎知識(簿記、納税、事業計画書の作成、雇用の仕方、各種書類申請の仕方、収益の出し方…)などを学校で学ばない。優秀な学生ほど大学入試問題をひたすら学ぶ。彼らは大企業の社員や公務員になることしか教えられていない。
いつの世も新しい潮流を生むのは若者で、彼らの熱意と無謀な挑戦こそが社会を動かしてきた。日本の優秀な若者は、起業してアップルのような会社にしてみせるという夢が持てない。ご両親もそうした夢より安定した公務員や一流企業への就職を希望している。そこでは半沢直樹が直面したげんなりする現実しか待っていない。