社長 それをやっちゃいかんでしょ!その弐拾
一国の主となるには、他国との戦争に勝たねばならない。一対一の喧嘩に強くても一国一城の主にはなれない。多くの部下が、自分の命をかけるに値する主人だと、心から思ってついて来てくださらなければ主とはなれない。個人技を磨いて、如何なる剣士にも負けない自信を身につけても一兵士として有能なだけで、上官にもなれない。
組織のトップに求められるものもまったく同じことで、会社を大きくしたいのであれば、どれだけの有能な社員が、社長のために人生の貴重な時間を割いて、人生を賭けてもよいと心から思って動いてくださるかにかかっている。そのために、企業トップは、真っ先にアイデアを出し、進むべき道を示し、やるべきことを指示し、先頭に立って働く姿を示すことだ。
多くの社員が社長に惹きつけられれば大きな会社になり、誰も社長に惹きつけられないのであれば、会社は個人企業の域を出ない。人間としての器の大きさに比例して、会社の規模は拡大縮小する。会社をダメにするのも、良くするのも社長次第。社員がダメで会社をダメにしたのではなく、ダメ社員を育てる社長だからこそ、会社をダメにしたのだ。
自社の夢を語れない社長、自社の商品やサービスを熱く語れない社長、自社の希望を語れない社長、真っ先に出社してこない社長、自信がない社長、愚痴っぽい社長、怒ってばかりの社長、怒鳴ってばかりの社長、悲しんでばかりの社長、ゴルフやセミナーばかりの社長、社員の話を無視する社長・・・中小企業のトップの魅力と業績は正比例する。