老いては子に従え
親は子供のしつけと称して我が子の心を傷つけていることが多い。僕の父親もゲンコツで頭を叩くことが多かった。自然と父を憎むようになり反抗的になる。反抗的な子供を服従させるにはより暴力を振るうようになりお互いの憎しみは修復不可能なほどになる。
高校を卒業すると僕は実家から離れて大学の寮生活を始める。社会人となっても実家には戻らず一人暮らしをしていた。そんな父親が癌になり入院費も出せないと知るようになり医療費を工面して癌の手術ができるようにした。
子供の頃は父親に介護が必要になれば、今までやられたことをやり返してやると思い続けていたのに助け舟を出すようになる。しかし、父親が昔のままだったら僕はどうしていたか分からない。父親を見放していたかもしれない。
そんな僕も68歳になり、介護が必要なときに子供たちに迷惑をかけないようにどうするのか考えるようになった。自分は子供たちから憎まれていないか?傷つけていないか?反省することがないか?もしも、そうしたことがあればすぐにあやまろうと思う。
子育てでやったことは自分に跳ね返ってくる。そのことに気が付かず感情的に子供に罵声をあびせたり、暴力をふるったりすれば必ず同じことをされると思って接するようにした方が良い。子供に優しくすれば年老いてから優しくされる。