デジタル資本主義
経済はより儲かることを優先する。一人の医師が1時間に診察する患者数が6人、患者一人当たりの平均診察代が5000円だとすれば、1時間の収入は3万円。大きな駐車場も必要な病院という施設は建設費も維持費も高い。1時間に12人の患者をオンライン診察できれば1時間の収入は6万円の倍額になり施設も安くて済む。
レストランで一人のお客様にサービスするのに2時間、単価は1万円、調理人と配膳スタッフ、受付スタッフが必要だが、これをオンライン予約のみ、配膳はロボット、調理は一括生産にすれば人件費は大幅に抑えることができ儲けは大きくなる。お店を持たず配送のみにすればさらに儲かる。
映画やテレビ番組など俳優を使えば出演料など出費がかさむ。興行収入はかなりな額にならなければ儲けが出ない。しかし、誰もがネットで自作の番組をアップできるようにすれば出演料はかからず映画館などを作らなくてもよく、ネットの広告だけで充分な収入をあげることができ視聴者は無料で楽しめる。
役場の窓口で住民サービスを提供していればスタッフ一人で処理できる相談件数は限られるが、それをオンラインで処理すれば今までの数倍処理できるようになり、役場の人員は少なくできるし住民は待たされるイライラが解消される。どちらにしても嬉しいことがオンラインによって可能になる。
こうした変化をデジタル資本主義と云い、これまでの生産中心の資本主義からの変化の違いを表している。世界の潮流はデジタル化を加速させており、日本も例外ではないが遅れている。原因は多くの人がパソコンやスマートフォンの操作に慣れていないことで、この教育が大切になってきている。