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社長 それをやっちゃいかんでしょ!その六

社員を叱ることが大切だと思い込んでいる社長がいる。「君たちは、ただの給与泥棒だ!何にもわかっちゃいない、この馬鹿どもメ!」言葉だけでなく、暴力すら厭わない姿勢に驚くが、社員は黙って聞くしかない。まさに、パワーハラスメントのオンパレード。「あいつらバカだから、叱ってやらないとわからない」と豪語する。会議という名のお叱りタイムが数時間始まる。

 

「あんたは何のために生きているの?誰のために働いているの?どうして頑張れないの?」立て続けに質問が発せられるので、言われた社員は黙ってうつむいてしまう。「どうして何も言わないの?言えないの?黙っていたらわからないでしょ!」社長は、いつものように怒り出す。「あなたたちは、私がいるから飯が食えているのよ!どうしようもないわね。」感情的になる社長さんは非常に多い。

 

自分の思い通りにならないと我慢できないタイプで情にもろい。怒鳴るほどに腹を立てる人は、落ち込み方も同じほど。落ち込みだすと、会社に出てこないほど弱気になり、何をしても自分はダメだと決めつけて落ち込んでいる。社員は、そうした社長にはついていけないので、次第に距離を置くようになる。離職率の高い会社には、こうした元気な社長さんがいる。

 

感情的になるということは、自分自身すらコントロールできていない状態で、冷静さと平常心を失くした状態で他人に接することは失礼な行為。ガミガミ怒ることで、誰かを追い込み、その心をズタズタに引き裂いてしまうことに注意していない。上に立つ者として、付き従うものへの配慮を失くす行為は、厳に慎まなければならない。

 

叱る行為は、相手が反省しようと思える範囲内でやらねばならない。その範囲を超えると、相手は防衛本能から退職するか反抗的になるか、ふさぎ込んで心を閉ざすかになる。相手の態度の変化を見極められないで、自分の感情をストレートにぶつけているだけの状態では、社長としての器ではなく、駄々っ子と同じレベル。平常心を失くすトップに人生を預ける価値はないと思われても仕方がない。

 

罵声を浴びせる行為、嫌味を言い続ける行為、上から目線で威圧する行為、これらはパワーハラスメントで犯罪。相手が納得できるよう説得できない自分の人間力を高めるべきなのに、自分の説得力のなさを怒りの感情でしか表現できない。社員のハートを引き裂いて、ボロボロにして、業績がよくなることはないと気が付くべき。

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