「もうダメです」「もう死にたい」と会えば話す社長がいる。社員にも同じように「死にたい」と話しているため、社員は、最初は心配しているが、何度も続くので、呆れて不安になり転職していく社員も出てくる。泣き言ばかり言っているので、社長は会社にも出てこない。仕事は社員任せで、自分は自宅にいて儲からないと心配ばかりしている。仕事をすればよいのだが、仕事をする気になれない。

 

管理職の方は泣き言ばかり言って出社してこない社長に愛想が尽き反抗的になる。現場を任されているが、感謝されることがなく、儲からないと泣き言ばかり言っているので、自分の仕事ぶりを否定されているように感じて腹が立つ。部下にも「あの社長は、何を言っても聞いてくれない」と話してしまうので、部下も社長にはついていかない。

 

リーダーに求められているのは、いつ、如何なる時も何を、いつまでにすればよいのかを明確に示せる泰然自若とした態度。論語でもなければ、精神訓話でもなく、社員と一緒になって汗を流してくれるトップ。部下の泣き言を笑顔で聞いて「情けないことを言うものじゃない。こうすればできるじゃないか！」と励まして道を示してくれるトップだろう。

 

社長室でゴルフクラブを握っている姿を社員が観て、頼もしいと思うだろうか？旅行のカタログを観ている姿を社員に見せて、社員が頑張ろうと思ってくださるのか？社員に手の届かない超高級車に乗って儲からないと話しても納得してくださるのか？法人会の集まりや経営者セミナーや能力開発セミナーに行くばかりで、社員の話を聞いてくれない社長を尊敬できるのか？死にたいと言って社員が頑張ろうと思うのか？