このサイトはJavaScriptがオンになっていないと正常に表示されません

社長 それをやっちゃいかんでしょ!その五

社員教育が大好きで、社内研修が大切だと社長は真っ先に立ち、いつも社員研修を行っている。しかし、内容は現場の改善策や福利厚生への挑戦ではなく、論語や能力開発などといった精神訓話ばかり。現場とかい離した内容ばかりの研修が続くので、業績は伸びないが、その原因は研修が足りない、理解されていないなどと思い込んでいる社長にある。

 

セミナーなどで知り合った社長仲間との付き合いが多く、他社の社長さんの社員教育にも興味があり、来賓として社員総会に参加させていただく機会も出てくる。統率がとれた社員を観て、自分の会社もこうありたいと思い、同じ内容で社員総会や研修を行う。寸劇やダンス、感謝の作文や社長を称える組体操など、事前に何度も練習して発表する。

 

社長は、来賓を接待して忙しく、壇上で行進する社員の姿を自慢して来賓の方々に説明している。議事進行係は、間違いのないようにせわしく動き回るが、そのほとんどは社員のためという建前で、本音は来賓に素晴らしいと言わせるものばかり。それを感じている社員は、社長に従うことはなく、静かな反抗心を育んでいく。

 

社長さんはご満悦で自慢しているが、どこかの国でも、こうしたことをやっているなと思う。社員の本音は、こうしたことよりも休みが欲しい、現場に残している仕事をやりたい、社長と本音で話がしたい、他社の社長の言葉を受け入れるのに、自社の社員の言葉には耳を傾けない姿勢にストレスを溜めていき、不満が募り、業績は降下する。

 

社長には、会社を赤字にしないことが一番求められている。それができなければ、会社は倒産するしかなく、あの社長はダメ社長だと評価される。会社が黒字で普通、黒字幅が大きくなると立派な社長だと評価される。いくらご立派な言動でも、しっかり稼いでいない社長は、口先ばかりのダメ社長と云う評価しか与えられない。

 

離職率の高い会社には、こうした何をやっているの?と聞きたくなる社長さんがいる。こうした研修や総会やセミナー大好き社長さんは、得てして頑固で感情的。仲間内の社長の意見は受け入れるが、他人や部下の意見は受け入れない。チヤホヤされるのが大好きなので、責められることには感情的に反応する。反省することがなく業績を落としていく。

 

« »