お客様のご要望にお応えするのが使命
食堂を経営していると、お客様が安くて美味しくて早く出してくれる食堂がイイと言われる。市場で安い食材を買ってきて、頑張って家族で仕込みをして出しても、近所のチェーン店の値段には及ばない。お客様がそちらに行ってしまうが、家族経営の大衆食堂ではどうしようもない。
チェーン店では中国野菜など海外産の野菜やお米、海外産の加工肉などを使って、加工工場で全国のチェーン店に配送できるよう大量に加工する。腐らない、新鮮さを保てるなどいろいろな薬剤を入れてパック詰めにして現地のチェーン店に配送する。注文を受けてから出すまで早いし安い。
地元の小さな料理屋が、業務スーパーで冷凍食品を朝一に購入していて、買っている食材はブラジル産の鶏肉など。1500円で豪華に見える料理を提供するにはそれが限度なのだが知ってしまえば行く気がしない。こだわっている料理屋を見つけるのは難しく、ついつい自分で調理してしまう。
地元の食材にこだわり、健康にこだわり、調理方法にこだわり、お客様に美味しかったと言わす技量がありながら繁盛しないお店は多くある。いっぽうで、何の手料理もできない学生アルバイトが温めお皿に盛って出してくれるお店があり、美味しくて安くて早いから繁盛している添加物だらけのお店もある。
地元の新鮮食材にこだわり、腕を振るって健康で美味しい料理を出してくれる地元の飲食店もあり、素直に嬉しくあり頑張ってくださっていることに感謝している。こうしたお店はいつまでも繁盛してほしいが、なかなか儲からない。値段だけで判断しているお客様もいる中で、その経営努力には感服している。