経営者は従業員を犠牲にして儲けてはいけない
知覧特攻平和会館に行ったとき、経営者である僕は無性に腹が立った。これほど国を思い純粋に死んでいった若者を出した軍上層部の判断を憎んだ。組織のトップとして部下を殺してでもやると判断したことを僕は許せなかった。
戦国時代の殿様は敗戦が濃厚となったとき、無理せず降伏を申し出て腹を切ることで部下を生かした。しかし、太平洋戦争ではトップである自分が生き残り部下を使い捨ての消耗品として殺している。同じ日本人ながらその判断は正反対。
僕は経営者なので、あくまで従業員の幸せのために働いていただく姿勢を大切にしている。万が一、この会社が倒産しそうになれば給与も支払えない状態で働かせようとは思わない。キチンと支払って清算し廃業を選択する。
他人の不幸の上に自分の幸せを築いてはならない。他人の幸せの上に自分の幸せを築くようにとは「三方良し」の近江商人の言葉。ビジネスの世界ではこの姿勢をなくして企業の繁栄はない。