先輩(メンター)制度の導入で離職率を下げる
新人研修は、どの企業でも2~3ヶ月で、新人研修が終われば配属先が決まる。配属された部署で上司に挨拶し、部下の一人として働きだす。いっしょに仕事をする方々はテキパキと処理していくが、研修を終えたばかりの新人は、なかなか仕事の手順が理解できず悩む。
OJT、Off-JT、自己啓発といった教育訓練は、知識やスキルの習得が中心です。先輩制度は、先輩が新人社員に対して、組織への適応を高めながら、主体的に取り組むよう動機づけを図ることでキャリア開発を支援する役割を担います。
このとき、上司と新人の両方の立場を理解して、双方の相談役になってくれる先輩制度を導入して成功している企業がある。新入社員が入って配属先が決まると、ひとりの新人社員にひとりの先輩社員が決められ、毎週何度か仕事の話やプライベートな話をする。
この制度の導入によって離職率がかなり改善される。上司は、これまでの部下との絆もあり業務でアップアップのときもあり、なかなか新人を育てる余裕がないことがある。新人にまで気配りを欠かさず、しっかりフォローして育てていける上司は限られてくる。
そこで、新人と上司の間に入れる先輩社員は、双方の悩みを理解して、第三者的な立場から双方が受け入れやすい解決策を提案できる。先輩社員となった人も、自分の部署の問題点に置き換えて考えることが出来るので、自身の成長にもなる。こうした制度の導入によって団結力が高まる。
新人社員、先輩社員、上司にとって成長になる制度の導入で離職率を下げていくばかりでなく、いつまでも先輩社員と交流していくことで人間関係も深まる。先輩制度は、企業としては1年間限定で、翌年度はまた、別の新人社員の先輩となる。新人社員が1年を経て、先輩社員となることもある。
先輩社員は、同じ部署からだけでなく他の部署からでもOKで、それぞれの部署の業務や問題点、改善点を把握でき、部署間の壁をなくす効果もある。役員が、新人社員の先輩、新人幹部の先輩になることもある。企業の団結力にもつながるので、厚生労働省も積極的に導入するよううながしている。
参考資料 http://www.msoffice.jp/files-usr/file_519dc660bb091.pdf