働く母親に感謝する
両親が離婚して母親に育てられているお子さまは多くいる。学生の頃はそうした母親に反抗的で、一生懸命に働いている母親を観ても、お父さんと別れたから苦労してんだろ!どうして離婚したんだと思っている。大人の恋は学生の頃の純愛と違って複雑なので、子供には理解できない。
そんな子供も大人になり、恋をしてフラれたり、フッたりして、恋はもろいものだと感じるようになる。一緒に恋人と暮らすようになれば、どんなに恋していても、相手が家事など頼りっぱなしだと嫌になり喧嘩が絶えず別れてしまい、大人の恋の複雑さを少しは理解するようになる。
学生の頃のように、いちばん都合の良い時間だけ会い、金銭的には親に頼りっぱなしで、恋人同士で働いて生活費を出し合うこともなく、料理や洗濯などすることもなく、楽しい会話や両親の愚痴を言い合っていれば楽しかったというわけにはいかない。大人になり、離婚すれば守るべき家族がいることで制約されることが多い。
夜遅くまで働く母親を観て、どうして家でしっかり家事をしないんだと何もせずにテレビやゲームをしている子供が、母親に怒っていることをやっと反省するのは、子供が大人になって恋人から痛い目にあったとき。それまではなかなか理解できない。母子家庭の母親が一生けん目に働いているのは子供の生活費を稼ぐためなのに、なかなか理解できない。
子供が母親に反抗的になっても、母親は愚痴も言わずにけなげに働き続ける。そんな母親が、君だけにとてもつもなく優しいのは、君のことを心から愛しているから。世界にたった一人だけ、君のことを心から守ろうとしているのは頑張って働いている母親だけ。仲が良い友達だって君の生活費や家事まで面倒を見てくれない。