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あれほど儲かっていたのに?

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総合スーパーが儲からなくなって久しい。スーパーは、最初、物販の専門店から出発したが、価格破壊を起こすために定価販売をやめている。そのため、市場で仕入れるなど、メーカーの抵抗を受けにくい商品販売から起業している。多くのお客様の支持を得た販売店は、更に価格を抑えた商品を広げたり、店舗を広げたりして全国に店舗網を構築していった。

 

大企業となった総合スーパーは、仕入れ担当者(バイヤー)が直接、メーカーに日参して仕入れるのではなく、メーカーの営業員が商品サンプルを持って総合スーパーに伺うようになる。いちいちメーカーに行く必要がなくなったし、多くのメーカーに会えるようになった。仕入れ担当者は効率よく仕入れできるようになった。決まりきった商品なので値段の交渉さえ折り合えばよかった。

 

マンネリ化した仕入れは、値段だけの勝負になるが、対抗馬としての専門店は値段だけの勝負を避けて、オリジナル商品の開発に特化するようになる。素材からこだわって商品開発をして、自店でのみ扱っている商品の魅力はお客様のお気に召して、いっきに売り上げを伸ばしていく。垂直統合の商品開発は値段の面でも総合スーパーに引けをとらなかった。

 

また、総合スーパーでは、商品管理を徹底しているために賞味期限が近い商品は棚から下ろしている。お客様からのクレームが商品管理をより徹底させる。期限が近い商品は、安売り店が格安で仕入れて販売する。総合スーパーは価格でも専門店に対抗できなくなっていった。地元で人気の商品は生産量も少なく管理できないからと仕入れができない。

 

こうして、魅力ある商品開発が重要だと気が付いた総合スーパーは、自社オリジナルの商品開発に乗り出すが、稟議を書く、決済を仰ぐ、商品開発をする、味覚テストを役員にかけるなどスピード感がなく専門店の後塵を拝することで販売チャンスを逃していく。商品開発の全権を託されたリーダーの育成が必要だったが、物言うお偉方とクレーマーのご機嫌取りで身動きが取れなくなった。

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