社長さん、本気ですか?
中小零細企業経営者は、チョイっと儲かると周りの中小零細企業経営者から尊敬されるようになる。「あんたは立派な人や!地元の鏡や!」嬉しくなって講演会に行ってお話しすると都会の名だたる経営者からもマスコミからも注目されるようになり、自分は頑張ったんだと嬉しくなって舞い上がる。僕も多くの方から称賛を浴びて驚いたことがある。
各地からのお誘いも多くなり、チヤホヤされるうちに贅沢も覚えるようになる。法人会やセミナーからのお誘いもあり、いっしょにお話ししていると付き合いたくなってくる。都会で出会った経営者の多くはお洒落で高級品を身につけている。都会の洗練された経営者と付き合うには服装から身の回りの品を高級ブランドで固めようと思うようになる。
しかし、更に伸びていく企業経営者は、このときどんなにチヤホヤされても舞い上がることなく、都会そのものに啓発され、もっと頑張らねばとひたすら自分の仕事に打ち込んでいく。都会では、自分よりも仕事熱心な経営者がたくさんいて、自分はいっとき注目されているだけだと気が付くからだ。「俺は、一発屋で終わらない!」
都会を観て、うぬぼれ舞い上がり、表面だけ真似をしているのが落ちていく経営者なら、都会を観て、更に高みに登ろうと決意して仕事に打ち込むのが地方から都会に進出してくる経営者だろう。井の中の蛙大海を知らず のような地方の経営者は、都会の風に当たって表面だけを観て憧れるが、遊びを覚えて次第に落ちぶれていく。
田舎でチヤホヤされてもたかが知れている。都会でいっときもてはやされてもたかが知れている。大きくなる企業経営者は、チヤホヤされても舞い上がらないし、贅沢しない。ライバルは自分自身、目指すは誰も観たことがないオンリーワンの世界。ひたすら自分の仕事に打ち込んで磨き続け、圧倒的な世界一の高みを目指している。