セミナーに逃げていく社長は自滅する
優秀な経営者は事業を拡大して儲かると、仕事を社員に任せても大丈夫になってくる。異業種交流会などに興味を持ち、参加すると同じように儲けている社長さんが集まっている。彼らは魅力的で輝いているが、自分もまた輝いていると褒められる。どのようにして、そこまで儲けたのかと聞かれて話すと驚かれて仲間に紹介される。
これまでとは全く違う世界に嬉しくなって、これはドンドン参加しなければと思うようになる。成功しているのだからそれなりの洋服や車に乗り、鞄も靴も腕時計もそれなりのものにしなければとアドバイスを受けるようになる。魅力ある経営者は皆さん、それなりのファッションや生活スタイルを持っている。
能力開発セミナーや経営者セミナーでは、これまで、現場でがむしゃらに働いてきた者にはまったく知らない言葉や方法が出てきて驚く。さすがはセミナー講師だと感心して、自社の社員にも参加を促すようになる。社員は自社の仕事に関係のないことなので魅力を感じないし、現場作業の時間が少なくなるので業績は下降する。
セミナー講師から、御社の従業員は講師の講義内容をあまり理解されていないと教えていただき、高い参加料なのに何をしているのだと怒りを社員にぶつけてしまう。叱られた社員は、仕事もしないで贅沢三昧の社長に何がわかるのかと思うが黙って転職を考えるので、益々仕事に身が入らない。
こうした相談を、社員から受けることがあり、その会社の社長に注意したが、僕に相談したことを問い詰められて、いたたまれなくなり、その社員は転職していった。その社長さんは僕の前では反省した振りをしていたが、セミナー仲間との交流を断ち切って仕事に集中することはできなく自滅した。
必死になって新商品や新たなサービスを創り出しているライバル企業はたくさんある。彼らは仕事以外のことには無関心で無名なのでチヤホヤされることもない。寝ても冷めても仕事に集中している彼らとセミナー通いでチヤホヤされて贅沢している社長の商品やサービスとどちらが勝つかは明白。