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業績不振のときのトップの態度で企業の未来が決まる

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神戸を本拠地とするアパレルメーカー ワールドの業績が悪化しています。40年前、僕がアパレルをしていた頃、ワールドは奥様方のトップブランドで、どの地域でもワールドの商品を置いていれば儲かっていました。まさに関西の雄だったのですが、海外ブランドにおされて多くのお店を閉店するというニュースが流れていました。

 

ソーシャルゲームのグリーの業績も悪化しているし、総合スーパーの業績も悪化、空気清浄機や液晶テレビで一世を風靡したシャープの業績も悪化、家電量販店のトップ企業のヤマダ電機の業績も悪化・・・反対に、ものすごい勢いで伸びていくベンチャー企業もあります。企業業績は時流によって好不調の波を繰り返していきます。

 

大企業では企業トップの入れ替えをして、経営陣の刷新で再生を図ります。これまでの経営陣は潔く退陣して次の経営陣に託した方が業績改善を図りやすいということです。しかし、中小企業ではトップの入れ替えなどできないので、心を入れ替えて従業員と向き合い、真剣に仕事に打ち込んで企業再生を図るしか打つ手はありません。

 

僕は40年近い社長業の経験をしているので、中小企業経営者が儲かっている時の態度や儲からないときの態度で業績は変わることをたくさん観てきました。儲けるのが下手な社長さんは、感情的で儲けると贅沢が好きで自慢するようになります。自己主張が強いのでセミナーなどにも積極的に参加して自慢話をしているか、自社の不満話をしています。

 

チヤホヤされるようになると、自分は特別な存在だと思うようになり態度もでかくなります。いつも、周りの人が頭を下げてくださるので、偉いと思い込んでしまいます。自分の話を聞くのが当たり前になり、目下の者の意見にはムカついてしまいます。誰からも指摘されることがなく、指摘されても反省できなくなります。こうなると、自分の殻に入った王様です。

 

高級ブランドで自宅や車、洋服や家具、鞄や靴、時計や筆記用具を揃えるようになります。自己啓発セミナーなどが大好きで、従業員にも参加を促し、セミナー講師の研修を積極的に受けて、社長も受け売りでセミナー講師のように話すようになります。現場の声よりセミナー講師の声の方が良いと思うようになると自社従業員の心が離れていきます。

 

業績が悪化しても従業員がバカだから悪化していると思い込んでいるので、もっと積極的にセミナーに参加しなければとコンサルタント会社のセミナー講師を自社に呼んで研修会をするようになります。こうなると、従業員はあからさまに社長を見放していくので、社長は感情的になり怒ってみたり、愚痴ってみたりするようになります。

 

自社の社員とどうして対等に向き合わないのか?自分の意見ばかり主張して、どうして社員の話に耳を向けないのか?いつも上から目線で一方的に話すことを止めて、従業員の日報や週報のひとつひとつに真心のこもった返事を書いてやらないのか?信頼を失くすようなことをしているから業績は悪化しているのだとどうしてわからないのか?反省できない態度にこそ原因があるように思います。

 

人は苦境に立った時、肝が据わっているのかどうか試されます。企業再生の最前線に立って命がけでヤル気があるのかどうかが問われています。自分の会社を守るために現場に立ち、お客様の喜びをみずから創ってみせるという姿勢を従業員に見せて従業員の信頼を得ることから始めなければ業績は回復しません。何事もトップが信念のある人でなければお客様も従業員も動いてくれません。

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