最近、リアル店舗で商品を見て、スマートフォンで商品やタグやバーコードの写真を撮って検索している方を見かける。ネットで検索して一番安い店舗で購入するお客様が増えている。カー用品でも洋服でも高級ブランド品でも家電商品でもこうした傾向が拡大している。お店は商品を観る場所で購入する場所ではなくなっている。

 

僕が普段着ているカジュアル衣料は、日本にたった1店舗しかなく、東京表参道に面した店舗の裏側の一画に置かれているだけ。これまで、二度倒産したらしいが、それでもこのブランドが好きな方は根強い。再起した今では、商品陳列としての店舗と日本全国に散らばっているファンが支え、ネット販売で売り上げを伸ばしている。

 

店舗に入れば家賃が発生するし販売員も数人置かねばならない。維持する経費はネット店舗に比べれば十倍以上になる。ネット販売で収益を出していくにはお客様から支持されるこだわりが強い商品であることで、高額でも納得してくださる方は地元には少なくても全国には多い。そこがネット販売の魅力で強さでもある。

 

お店はマスコミやアパレル業界の方やファッションに興味のある方に訴えやすい表参道に赤字覚悟で構え、ファッション雑誌などに紹介していただく。多店舗展開しないでネット販売に特化すれば、雑誌や口コミ、ブログなどを観た人は購入してくださる。商売の仕方がネットのない時代とは全く違ってきている面白い時代。

 

全国に展開しているお店で買うことができるように多店舗展開して売り上げを伸ばした時代から、あえて、一店舗に限定してこだわった商品を陳列して、マスコミに取り上げられやすいようにして、お客様はそのお店まで行くかネットで名前を登録して会員となり購入するしかない。こうしてやっと他に入れることができるからこそ喜びも増す。