新幹線のグリーン車には、ご年配の方々の旅行者が多くいるし、高級乗用車に乗っている方でもご年配の方をよく観るようになった。高級レストランでもご年配の方がたくさん食事を楽しんでいるし、コンサートやディナーショーに行かれるご年配の方が増えている。もちろん、高級ブランドのお洋服も見事に着こなしている。今や、高級品市場はご年配の方を抜きにしては成り立たない。

 

欧米でも、ご年配の方が多趣味で、多くのイベントに積極的に参加され、大学で講義を受けて熱心に勉強し、豪華クルーズ船に乗って楽しみ、年齢を気にしないでたくさん素敵な恋をして、趣味を活かした作品を販売したり、料理教室を開いて仲の良いお友達に教えたり、高額ブランドショップでお買い物を楽しみ、お年寄りのイメージは全くなく、健康で若々しく生きている。

 

僕自身、61歳で、昔は敬老の日には60歳から祝っていただけた年なのだが、今では65歳以上になっているそうだ。60歳を過ぎると、確かに節約して残しておくというよりも、残りの人生を明るく、楽しく、元気よく過ごしたいという気持ちの方が強い。節約するところと贅沢するところをわきまえるようにして、これまで我慢してきたことにも積極的に挑戦したくなる。

 

昔のご年配というイメージは、今はなく、人生を積極的に楽しもうとする本物志向のご年配の方が増えている。高級ブランドのお洋服をさりげなく着こなし、ブランドショップに行っても店長が挨拶に来る。高級レストランにも顔が効き、メニューにない料理を注文し、高級品や歴史に対するうんちくもよく知っていて、聞かれると偉ぶらず教えてくれる。誰にも優しく、それでいて強さも持っている。