大事にするとは
これは大事にしたいものだからと押し入れに入れたまま放置状態になり、大掃除の時に観るだけというモノもある。大事にしたいモノこそ、いつも大切に使ってあげることで、そのモノの価値を認識することが多い。
手打ちの和包丁を僕は使っているが、毎日使っていると、そのモノが持っている価値を認識することがある。毎日使うだけに、毎日のように包丁を研ぎ、切れ味を指先で確かめ、良く乾かし、油を塗っていつもの場所に整理する。
腕時計なども、使い込むほどに味が出てくるし愛着も湧いてくる。コレクションとして箱に入れて、たまに観て楽しむだけでは味気ない。いつも、大切に使ってあげると、そのモノが持っている癖を知り、職人の制作魂を感じるようになる。
カバンやバッグなども、高級ブランド品をたくさん持つことに興味を持っている方もいるが、コレクションするよりも使い込んだ味を楽しむ方が職人さんは喜ぶのではないだろうか。傷やシミや汚れを楽しみ、大切に使うことこそ大事。