このサイトはJavaScriptがオンになっていないと正常に表示されません

ダメだとわかっていても全力で走る

 

野球では、走者を進めるために送りバンドをする。送りバンドをする選手は、ヒットが打てないほどバットを短く持ち正確にボールに当てるためにホームベース上にかがみこむ。打球は、ピッチャーの前に転がり、打った選手は死ぬとわかっているのに必死になって一塁を走り抜ける。試合のヒーローは、次のバッターや進塁した走者。

 

僕は、送りバントをする経営者であろうと思っている。決して自分がヒーローになろうとせず、走者や次の社員のために犠牲バントをし続ける。彼らがヒットを打ち、塁上を駆け巡り、ホームベースを踏んで帰ってきたとき、一番喜んでいる犠牲バントの選手のような存在が僕であろうと思う。

 

試合の展開を読み、勝利のために自分が犠牲になることを喜んで実践するのが僕。死ぬとわかっているのに1塁まで全力で走っているのが僕という経営者。僕は自分自身をそのように思って会社経営をしている。そして、ヒーローになっていく笑顔で自信に満ちた従業員を見ながら心から嬉しく思う。

 

田舎の支店にすっこみ、目立ったことをせず、仕事のアドバイザーであってもリーダーにはならず、補佐に徹して成果を見守る。嬉々として仕事をしている社員を見て嬉しく思いながらも、決して表には出ない。いっしょに飲むこともなく、ミーティングで中心となってお話しすることもない。

 

そうして創業から20年が経ち、退職していった社員からも尊敬されていることに心から感謝し、嬉しく思う。退職した彼らが、まるで卒業生のように集まって僕や僕の会社の話をして盛り上がっているのをお聞きすると、この会社を立ち上げて良かったと思う。おかげで、今だこの会社は高収益企業として評価されている。

« »