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21世紀の戦争はテロ

 

第二次世界大戦までの戦争は、敵と味方がハッキリしており敵国の兵隊と戦いに出かける若者はヒーローだった。連合国軍に参戦した若いアメリカ人は、戦後自国に帰ると街中から祝ってくれた。彼らは街のヒーローで、子供たちの憧れの的だった。戦場に出かけて戦うことは国民として当然のことだった。

 

しかし、ベトナム戦争では、多くのアメリカの若い兵士が敵も味方もわからない戦争によって苦しみ、多くのアメリカの兵士が不意打ちで戦死し、やっとの思いでアメリカに戻ってくれば戦争反対で加害者のように扱われ、自分はアメリカのために戦ったのではないのかと苦悶する。

 

その後の戦争では、敵と味方が判別しがたいテロや市街戦になり、戦場は一般市民が暮らしている街中になっている。欧米列強は、進駐した国で最初は歓迎されているが、敵も味方もわからない状態での誤爆や誤殺も多く出て憎しみの対象になっていく。自国でも反戦ムードが漂い悪者扱いされるようになる。

 

軍事産業界から多額の献金を頂いている政府はベトナム戦争真っ盛りの頃、非難の矛先がアメリカ政府に向かわないために、アポロ11号による月面着陸をトップで何度も何日も報道していた。アメリカ国民は、何千人という兵士が泥にまみれて戦っていることを忘れて、たった2人の英雄に注目していた。

 

戦争で最前線に立ち、殺し合いをしているのは多くの場合、どちらもお互いに虐げられている民衆で、お金持ちや政治家は後方で眺めているだけ。国家のため、自分たちの家族のためと命を懸けているのは下層階級の人々。どちらか敗北となったときにも戦争を引き起こしたお金持ちの多くは平然と生き延びている。

 

愛国心を煽り、国のために命を捧げることを賞賛するお金持ちや政治家は、自分が武器を持って戦争の最前線に立ち、憎しみに満ちた子供兵士や女性兵士に命を狙われ、彼らを殺さなければ、自分が殺されるといった日常に身を置くことはない。多額の金銭が飛び交う世界で彼らは生きている。

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