お金の魔力
お金はたくさんあるにこしたことはない。10万円より20万円もらえれば嬉しい。それが、労働の正当な対価であれば問題はないが、甘えや悪さしてでも手にするようになると嫌われる。何の対価も求められずにただ手にするお金は、自己満足を満たすために使いがちだし、もっと欲しいと多額のお金を求めがち。
企業経営者は自社を大きく伸ばすことを夢見る。地域ナンバーワン、日本一、世界一などを目指して日々努力していくが、会社が大きくなるにつれてお客様との接点が希薄になり、業績だけにとらわれていくようになる。素晴らしい業績ですねと周りから羨望の目で見られるようになり、これだけ儲けたと自慢したくもなる。
お金持ちになると見た目でお金持ちだとわかるようにしたくなる。服装や宝飾品、カバンや財布は高級ブランドになるし、高級車に乗るようになるし、豪華マンションや立派な戸建てに住むようになる。ゴルフやヨット、会員制クラブやリゾートホテル、高級レストランでの食事など夢見るような生活をしたくなる。
こうした贅沢を維持するために、仕事でのごまかし(偽装)などに手を染めることも厭わない方も出てくる。お客様や従業員を犠牲にしてでもお金を手にしたいと思うような人になり、許認可などの権力を持つ人に金銭ですり寄ったり、名誉ある人に金銭ですり寄ったりしてお墨付きをいただく。
お金の魔力に憑りつかれた人は、「自分は違うから」とか「お金を出してくれる」とか「家族を養うため」だとか「会社で働く人を守るため」だと言い訳をして、お金を出してくれる親や子供、お客様を犠牲にしていることを忘れている。出してくれるお金をどのように使ってほしいのか、対価は何かを忘れた行為は自分を腐らせていく。