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心が離れる

仕事で疲れた旦那が帰宅する。旦那のために半日かけて手料理をしていた妻が出迎える。食事を頂くが、美味しいと一言もなく疲れているからとすぐに寝室に行き寝てしまう。妻はこうしたことが何度かあると愛情が薄れていくのを感じる。そのうち手料理しなくなりスーパーのお惣菜を買ってきて盛り付けるだけになってしまう。

仕事で疲れた旦那が帰宅する。家に入るとモノであふれ部屋は散らかっている。妻は、食事の用意もなく冷蔵庫からインスタント食品を出して温めるだけ。「ありがとう」と言ってバスタブにつかりホッとする日々が続くと愛情が薄れていくのを感じる。そのうち真っすぐ家に帰るのではなく、居酒屋で食事を済ませるようになる。

友達と別れて学校から帰ってくる。家に着くとすぐに母親から「~しなさい」と言われる。父親が帰ってくると、成績や進学のことばかり聞かれる。幼い頃は優しかったのに、今ではしつけと言うアドバイスばかり。両親への感謝や愛情が薄れていくのを感じる。そのうち真っすぐ家に帰るのでなく、街をうろつくようになる。

人は指導やモノだけでは幸せを感じない。むしろ、指導やモノがなくても優しさや思いやりが双方にあれば、それだけでも幸せを感じる。妻の手料理を美味しいと言葉に出して感謝し家事を手伝う。子供に成績や進学の話をせず、ただいっしょに暮しているだけで幸せだと言って優しく接してあげる。

こうした配慮が出来なくなった時、「どうしてあんたはそう身勝手なのよ! 私だっていろいろあるのよ! どうして理解してくれないの!」と言ってしまう。その瞬間、家族は壊れていく。心が離れていても笑顔や優しさや思いやりをなくさずにいる人が一人でもいれば、家族は崩壊を免れている。

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