笑顔でやっと自分を保っている
僕は幼いころから父親や先生に訳もなく叱られることが多くあった。理解できないままにただ頭を下げてジッとしているだけ。「どうして何も言わないんだ!」と叱れると訳が分からないので苦虫をつぶしたような笑顔になる。就職してからも上司に叱られると、ただ笑っているだけ。ニタニタするなとまた叱られる。
一人になるとただ涙がこぼれてくる。歩いていても、ジッとしていても涙は止まることなく流れてくる。悔しさや悲しさなどもあるが、どうして僕はこうして生きているんだろう?僕が生きているのはどうしてなの?と思うようになる。強く主張することができない僕は、照れくさい笑顔で逃げ回っていた。
30代までの僕の人生はボロボロであいつはもうダメだと言われていた。やっと生きているだけの人生が30年以上続くと、他人の目を気にしてビクビク生きていることにたけてくる。臆病な生き方は慎重な生き方になり、知力、体力に秀でていない僕は自己主張できない性格なのだが他人の痛みがよくわかるようになる。
45歳から僕は自然と笑顔が身につくようになり他人への思いやりができるようになり、観察力に優れ、ビジネスセンスが身につくようになった。遅咲きの人生だが、自分の弱さが自分を人として大きくしてくれた。苛められたことが自分を奥深い人にしてくれた。若い頃に悔しさや悲しみを人一倍感じることが自分を鍛えていた。