甲子園では、毎年春と夏に高校生による野球大会が催される。日本全国約4000校が参加し、地方大会を勝ち抜いた49校による勝ち抜き戦で、甲子園大会を優勝するのはただ1校。4000校の頂点に立つのは至難の業。高校球児は甲子園出場や優勝を夢見て、泥んこになりながら日々の練習に励んでいる。ほとんどの高校球児はどこかで夢断たれ敗北を味わうのだが、彼ら高校球児は生涯の思い出として誇らしげに語ってくれる。

 

僕は企業経営者なので業績を気にするが、業績よりも大切にしていることは、高い目標を掲げて働いている日々の業務に誇りと仲間を思いフォローする気持ちを大切にしているかどうか。会社がたとえなくなっても、彼らが当社で働いていた時代を誇りに思い語ってくれるかどうかの方を気にする。例え、この会社を退職していったとしても、この会社で働いたことが私の誇りですと言っていただけるような会社にしたい。

 

日々の練習は厳しいけれども、チームメイトも頑張っているからと耐え抜いて試合に臨む。負けられない大切な試合でとんでもないところでエラーする仲間がいても、責めずに慰めて笑顔でフォローして称えあう。日々の仕事は厳しいけれども、仕事仲間も頑張っているからと耐え抜いて仕事に就く。大切な仕事でとんでもないミスをしても、責めずに笑顔でフォローして称えあう職場を創ろうと思う。本当の幸せはそうした日常の中にこそある。