今日の勝ち組は明日の負け組
戦後の日本では駅周辺にバラックのお店が並び、商店街が形成されていった。それぞれのお店は個人経営でメーカーから仕入れた商品をメーカー指定の定価で販売していた。焼け野原から生き残った人々はこうしたお店で物を買っていた。
主婦の店ダイエーは安売りで日本初の売上1兆円を達成した。店を開けば人が押し寄せ、売上はうなぎのぼり。日本中にダイエーのお店ができた。それまで定価販売をしてきた地元商店は壊滅的な打撃を受けて閉店していった。
総合スーパー日本一の座を得たダイエーだが、これまでのビジネスモデルだった土地を購入して資産価値を高めて半分はお店に、もう半分は宅地として販売して儲けるパターンがバブル崩壊で逆転した。買った土地は下落して資産価値は下がるばかり。
総合スーパーは安売りで儲けていたが、それよりも安い、業務スーパーやユニクロ、100円ショップ、ニトリやドン・キホーテなどが専業店としてお客様のニーズをつかみ成長し、総合スーパーは弱体していく。
さらにメーカーがネット直販で販売するようになると、お店の売上が減少し、固定費は上昇するので赤字になっていく。ショッピングセンターやモールからお店が撤退していく。空きテナントが目立ってくる。
どんな大規模店でもネット販売の商品数には及ばない。しかも、安くて24時間営業。店舗を拡大するよりネット販売を行う方が安上がり。高い家賃を支払うなら、ネット販売を利用するようになる。
お客様も、いつでもどこでも注文でき、割引もあればサイズも揃っているネット販売に頼るようになる。購入した商品は自宅まで届けてくれる。しかも、不要なものは買い取ってくれるサービスまである。