もうどうにも止まらない
店舗拡大して日本一になり倒産した会社はあまたある。起業して、儲かると次々に店舗を開いていく。新店開発は楽しく、社員の皆は笑顔になりヤル気に満ちている。お客様も興味津々で来てくださり売り上げに貢献してくださる。
次の店舗、次の店舗と開発していくと、開発部署が出来て次々と案件を持ってくる。社長は新店開発に積極的で早期に日本一になると豪語する。売り上げはうなぎのぼり、銀行も喜んで融資をしてくださる。それを元手に次々出店していく。
こうした歯車が順調よく行くのは10年ほどで、その後、既存店の売上が平行線になる。その先が赤字店舗の増加で、このときでも新店開発はイケイケドンドンで進んでおり、途中で止められない案件となっている。
つまり、動き出した出店計画は急には止まらない。1年後にやっと出店が止まるぐらいで、そのころには多額の赤字を抱えて金融機関に借り入れの申し込みをするが、赤字が増えている状態で返済計画がなく融資は下りない。
負け組となった会社は惨めで誰も相手にしてくれない。社長は金融機関を回っては断られることが続きノイローゼになって出社してこなくなる。倒産や廃業のため弁護士に頼るようになり、会社は最後の時を迎えるようになる。
儲けが減ったなら、出店して売り上げを伸ばせばイイではないか!という考えがつまずきの基になる。攻めるのはたやすいが、撤退するのは難しい。撤退の時期を見極めるのも困難。しかし、それができない会社は危険。