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能ある鷹(経営者)は爪を隠す

 

創業の頃は、何でもやらなければならない。すべてのことは創業者が決めていく。つまり、すべてのことを仕切っているのが経営者だが、会社が大きくなるにつれて仕切る役をスタッフに任せていくようにしなければ、スタッフは成長しない。成長しないというよりも自分で考えて仕事ができないので成長できない。

 

成長できなくしている経営者は、自分の会社のスタッフはできない奴ばかりだと愚痴を言うようになる。益々、仕事を仕切るようになり、スタッフに指示を出すのが自分の仕事だと思うようになる。売上目標、経費節減、販促計画、ミーティングですらスタッフの意見を聞かず、一方的に俺の言うことを聞けとばかりに伝達する。

 

こうした経営者は、毎日のように会食を入れたり、法人会やセミナーに参加したりして人脈を広げていることが多い。親睦を深めるだけの付き合いを僕はしない。一人で自社の現場スタッフから聞き取り、仕事のことを考える方が利益は出せる。スタッフの本音を聞くには社長は平身低頭でなければならない。

 

現場スタッフの成長こそが自社の成長の原動力になるが、仕切りたがる経営者は、外部に自社の成長があると思い込んでいる。自社のスタッフには爪を立てて仕切り、外部では平身低頭な態度で何か儲け話がないかとコンサルタントに相談している。こうして、スタッフはやる気をなくして業績を悪化させる。

 

ミーティングでは、セミナーで聞いた話やビジネス書に書いていることを話して実行するように求めるが、現場との乖離が激しく到底無理な話。できないと機嫌が悪くなり、スタッフを責めるのでやる気を削いでしまう。それではと精神訓話を持ち出すが、経営者自身に業績不振の原因があることを知らない。

 

 

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