社長はタフでなければ務まらない
僕の知っている経営者で幾人かは自殺しているし、その数倍の方は心を病んで苦しんでいた。それほど経営者になるということはストレスのかかる仕事で、なりたい人は多いが、いざなってみるとその責任の重さに押しつぶされそうになり、逃げだしたいと思うことを幾度も経験する。
これが店長や教室長であれば、降格処分でストレスから解放されることもできるし、再訓練で再び店長や教室長に復帰することもできる。降格処分になって落ち込んでいる方を見かけるが、僕にはそれこそ情けをかけた人事だと思える。経営者であれば降格処分などなく、心を病むか命を失くすかまで追い込まれる。
部下がついて来てくれない、スタッフが不足しているので業務が円滑に進めない、お客様からクレームが入っている、清掃が出来ていない、販促予算をかけても売り上げに結びつかない、などといったことでのストレスより、資金繰りがうまくいかないストレスの方がはるかに強い。
資金繰りがうまくいかない状態は給与が支払えない、業者の支払いができない、銀行への返済ができない、税金を納められない、新たな借り入れができない・・・徐々に倒産に追い込まれていくが、従業員には大丈夫だ!何とかするからと話し、何とかそれだけは避けようともがくほど心を病んでいく。
降格処分になった人は、再挑戦できるチャンスを会社が与えてくれたと思うべきだし、業績を上げられない原因を探って、反省材料を見つけて修正して欲しい。追い込まれている経営者は、ひとりでもがくのではなく、誰彼なしに相談して助けを広く求めることで、打開策を自分一人の責任にしないことだ。