所有と利用の分離
自社ビルを持つと資産が膨らみ、借り入れで購入すると自己資本比率が下がってしまう。貸借対照表は肥満気味になり、新たな借り入れは厳しい。事務所などを賃貸にすると、毎月の家賃支払いは経費なので資産はスリムになり、自己資本比率は上昇し新たな借り入れがしやすくなる。
自動車も週末にしか使わないなら所有するより借りる方が安上がり。こうした考えは、次第に広がりつつあり、高額商品になればなるほど、所有するよりもレンタルするようになる。航空会社も航空機を所有するのではなくレンタルするし、旅館やホテルも不動産を所有するのではなく家賃を支払って運営する時代。
不動産や航空機など、高額商品はリートや組合方式の会社などで、投資家から資金を集めて複数所有している。家賃やレンタル料金で安定した収益を出して投資家に還元する。都会の駅前再開発では、こうした考えを利用して大規模再開発を行うようになり、随分綺麗な街並みになっている。
ひとりひとりでは小さなことしかできないが、皆が集めれば大規模再開発ができる。土地を売却したくない所有者が集まって投資家となり、土地の利用券を数十年単位で貸し付ける。周辺の土地を大規模に開発してオフィスや物販、飲食店やマンションなどを誘致すれば家賃収入だけで飯が食える。