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明治の職人は世界一を目指していた

 

明治維新になり政治体制はガラッと変わった。街にはこれまでのお客様だったお侍が失業者になり、買い手がいなくなった。市場の変化に戸惑う商人も多かったが、商魂たくましい職人は南蛮渡来の品を見て、このデザインでこの商品をいくらで作れば商売になるのかを尋ねるようになる。

 

黙ってみていれば海外からの商品で街は埋め尽くされるようになるが、自分たちでそのような商品を作れば安くできるのではないか?うまくいけば海外で販売することもできるのではないかと考える。欧米の人にそのような提案をして商売に結び付ける。こうして職人は生き残る。

 

伝統を重んじる、伝統を守る、しかし、伝統だけでは飯が食えないなら伝統で培った技を活かして海外の人たちが魅力だと思っていただける商品を作って見せると決意した職人たちがいたことを僕たちは忘れてはいけない。現在、彼らの超絶技巧は復元できないほど細密。

 

超絶技巧を駆使した商品は海外でよく売れるようになるが、伝統派の親方々は嫌っていたことだろう。現在でも伝統派と伝統の技巧を使って新しい商品をデザインする創作派に分かれるが、創作派を応援する人は少ない。また、彼らも世界に打って出るという超絶技巧を身につける所まではいっていない。

 

コロナ禍で業績悪化に苦しむ経営者は多い。ちょうど、明治維新の頃の日本と同じように今までの商売では儲からない時代に突然なってしまった。彼らが世界一の技巧と商品デザインで世界をうならせたように今の僕たちも世界一のスキルとデザインセンスで世界をうならせてやると思うことが大切。

 

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