チームワークのできない組織は負ける
バッターがバントした時、ファースト、ピッチャー、サードが前進し球を拾いキャッチャーの指示でセカンドやファーストに送球する。セカンドはファーストに入り、ショートはセカンドに入る。ライトはファーストのカバーをし、センターとレフトはセカンドのカバーに入る。守備陣が一丸となって野球をすれば、貧打のチームでも勝ちを重ねることができる。
会社も同じことで、そこで働く従業員が正社員、契約社員、パート社員の区別なく全員がしっかりカバーしあって仕事をすれば業績は上がり、給与が上がり、皆に笑顔がみなぎってくる。個人個人で勝手に仕事をしていればいいやという態度では業績は上がらず、昇給もできず愚痴や不満ばかりが横行する腐った会社組織になる。
この差を決めるのはトップの姿勢で、トップ自ら自己研鑽を怠らず日々前進していれば従業員も自然とついてくる。経営者は自分以外に業績不振の原因を求めず、常に自分が愚痴っぽくなっていないか?不満ばかり言っていないか?感情的になっていないか?自己研鑽を怠っていないか?問いかけることだ。
そのことを教えてくれたのはかつて巨人軍の監督で誰もなしえないV9を達成した川上哲治の姿勢だった。当時の巨人軍はチーム打率が低く得点力はリーグでも最低ランク。秀でた才能を持っている選手は長嶋だけ。それでも勝てたのは、自分たちは国民の皆さんに夢と希望を与え続けるのだという使命感とチームワークに徹したこと。
企業経営をしていると、情勢の変化などで業績不振に陥ることがよくある。そのときこそ経営者の力量が問われるときで、何のために僕たちはこの仕事をしているのかと自分自身に問いかけることだ。その答え次第で会社の命運が決まる。会社を大きく変えるのは従業員ではなく企業経営者そのものだと僕は決めている。