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贅沢を自慢してはいけない

 

贅沢品を所有するとついつい自慢したくなるものだが、僕は贅沢品を初めて所有したのが60歳を過ぎてからで、会社に剰余金を20億円貯めてからだった。それも会社に来てくださるゲスト用や従業員の送迎用に7人乗りのベンツのワンボックスを購入したことで、今でも乗っている。ドイツでは貨物なので高級車とは言わないとお叱りを受ける車である。起業してから不動産は購入したことがなく、唯一の贅沢品と言えばそれぐらい。

 

バーゲンセールで買ったセミオーダーのスーツは10年以上着続けているし、バーバリーのネクタイはネットで購入した古着。普段着はオークションで購入した古着ばかり。食材は近くの産直市場で農家の方から購入するか、夜仕事が終わってから近くのスーパーに行って半額になった魚などを購入して翌日調理するようにしているので、外食はまったくしない。食費はかなり低く抑えられている。

 

創業時から本社に社長室はなく、秘書もいない。出社しても応接室や会議室でコツコツ仕事をこなしている。社長の仕事は従業員が働きやすい環境を創ることなので本社にいるより現場にいる方がやりやすい。どの企業でも秘書は社内で一番の美人をあてがうので、それでは仕事に集中できないと思い、自分でスケジュール管理をしている。講義の収録は和歌山の片田舎で、ひっそりと行っている。

 

従業員にとって社長が常に最前線で仕事をしており、最新の講義を行うために日々勉強していることが安心につながる。田舎暮らしなので贅沢して会社のお金を個人的に使ったりしないことに安心する。和歌山の田舎と首都東京を見ているので、偏った考えに陥らないで済む。栄華を謳歌する社長が没落するのも見ているので贅沢せず、まさかの時に備えるようにしている。つまりは、従業員が安心して仕事のできる環境を創り続けている。

 

高収益な会社を維持するということはビジネスモデルを磨くことはもちろんだが、社長の人格が非常に影響する。どんなに素晴らしいビジネスモデルであっても、社長についていきたいと思っていただけなければ好業績は期待できない。社長だけが贅沢して、自分たちは搾取されていると思いながらしっかり働いてくださるなどということはない。経営者としての態度、言動のすべてが儲けにつながっている。

 

 

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