生き残りをかけたチキンレース
二台の自動車を反対方向から走らせ、正面衝突寸前で先にハンドルを切った方が負けになるゲームをチキンレースと言うが、企業経営者の今の状況はまさにチキンレースの状態。いつ、倒産にハンドルを切るか額に汗しながら前を凝視している。
3月から4月まで2ヶ月間でも資金繰りは大変だったが、これが5月まで1ヵ月伸びるとさすがに倒産にハンドルを切らざるを得ない経営者も出てくる。社員を泣かし、業者を泣かし、家族を泣かし、自分の責任を感じながら死を感じる。
経営者は、例え資金に余裕があっても、非常事態が延長されれば真っ先に追加融資を申し込むべき。政府系の特別融資を真っ先に申し込む。最大限借りられるだけの融資額で最長の返済期間で申し込む。次に政府系の普通融資を最大限の最長期間で申し込む。
雇用調整助成金の申請は早期に行うが、貰える金額が少ないことに驚く経営者も多い。これでは社員を解雇せざるを得ないと思う経営者も多く出てくる。その場合は、会社都合の解雇通知を出して失業保険金をすぐにもらえるように手配する。
給付金が少なく解雇しないで我慢したい場合は、雇用調整助成金がこれだけなので、社長は頭を下げて皆さんの給付額を減額したいと話し合って決めること。ローンを抱えた社員から罵声を浴びることもあるだろうが我慢すること。
さあ腹を決めてやるしかない。おどおどしてはいけない。泣いてもいけない。嘆いてもぼやいてもいけない。社長なら胸を張って笑顔で社員や家族に接し、今やれることを正直に話してハンドルを握って切らず、目の前の恐怖にジッと耐えるべき。