真珠湾攻撃の成功と失敗
日本書紀で初代天皇とされる神武天皇の即位日を建国記念日(2月11日)としている日本は、日清戦争に勝利して巨額の賠償金を得た。その後、国力で20倍ほどもあるロシアとの間で日露戦争をしたが、賠償金は得られず国民の失望を招いた。しかし、戦争に負けないという神話をつくりあげた。
1941年(昭和16年)12月8日未明、帝国日本海軍は真珠湾を攻撃し大戦果をおさめたが、それは飛行機攻撃によるもの。しかし、海軍はあくまでも戦艦同士の一騎打ちに固執して航空機攻撃の重大性を無視したのに対し、アメリカは航空機攻撃の機動力に注目して作戦を航空母艦主体に切り替えている。
ビジネスの世界でも自分の考えに固執して未来を見据えた状況判断ができずに後れを取って業績悪化を招く例が多くある。自分こそがいちばんこのビジネスに明るく、誰の追随も許さない優れた経営者だと慢心している。多くの忠告者は馬鹿扱いされ、無視されるか邪魔者扱いされる。
謙虚な経営者は情報収集するにコンサルタントに頼らず、社員の言葉に耳を傾け、現場の成功者の意見をよく聞き、目下のものであろうと多くの人の意見を謙虚に聞くことにたけている。自分の考えに固執せず謙虚さを失くさない。真珠湾攻撃の成功を冷静に分析すれば、日本は戦艦ではなく航空機兵力の増強をしていただろう。