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明るく、楽しく、元気よく

 

いつも明るく、楽しく、元気よく いることはかなり意識しなければできない。日常生活のチョッとしたことで腹が立ったり落ち込んだり、感情はいつも大きく揺れがち。それなのに明るく、楽しく、元気よく いつも振舞うには、自分の感情をかなり抑えなければならない。

 

他人にいつも明るく、楽しく、元気よく いなさいと言うのは簡単だが、自分がやってみるとこれほど厳しいものはない。しかし、やり続けていると自分が鍛えられてチョッとやそっとでは動じなくなり冷静に対処できるようになる。若い頃にはできなかったことだ。

 

若い頃は、チョッとしたことで感情を爆発させて正義ぶったり権利を主張したり、自分が正しいと誰彼構わず主張していたが、それで大きく成長することはなく文句たれだと評価されるだけだった。仕事も続かず、上司からの評価も最悪で、仕事を覚える前に会社のあら捜しをしていた。

 

当然、会社を辞めることになり自分は転職しても同じことをするだろうと起業することにした。自分の会社なら自分が好きなようにできるし、やったぶんだけ自分の利益になる。イイことばかりだと起業したが、これが最悪で商売の難しさを思い知ることになる。社長には労働基準法などなく正社員でもない。

 

生活費を得るにも事欠く始末で、スーパーで100円の塩鮭の切り身を買えずにレジでバカにされて泣いたこともある。そうした極貧では不満を言うことすらバカらしく、自分がみじめになるだけ。商売のために無理やり明るく、楽しく、元気よく振舞っていると儲けるようになった。

 

会社が大きくなると、自分のやりたいことだけやっていては儲からず、お客様のご要望以上にお応えできる商品やサービスができなければ儲からないことを知り、従業員を雇うと彼らが喜んで働けるように、いつも明るく、楽しく、元気よく振舞わなければならないことを知る。

 

結局、雇われて働くにせよ起業して働くにせよ、不満や愚痴を言う前に必死になって自分を鍛えて 明るく、楽しく、元気よく いることが社会でたくましく生きていく術だと悟る。長い年月をかけてやっと知ったころには、還暦を過ぎていた。

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