会社の主役は社長
代表取締役社長とは、その会社の全責任を負っている役職で、映画でいうなら主役に該当する。主役が引き立つには素晴らしいわき役があってこそだし、それぞれの役者は、いかなる役であっても、全員がその役をしっかり全身全霊でこなしてこそ素晴らしい舞台となる。お客様がたった一人でも役者が手を抜いては失礼。
企業活動は、多くの役者がそれぞれの役をこなすひとつの舞台に相当する。ちょい役の人、通りすがりの人、セリフすらない人、照明の人、セットを作る人、音声の人、カメラを回す人、弁当を買ってくる人…そのすべての人がお互いに尊敬と信頼を持てなければ舞台は成り立たない。
主役とわき役が仲たがいしていても、いったん幕が上がり舞台に上がれば、そこにはお金を払って楽しみに来ているお客様がいて、役者を見ているのだから、全身全霊でその役をしっかりこなすのが役者魂!役者同士の好き嫌いなどお客様にはどうでもよいことで、日ごろの嫌なことをすっかり忘れさせてくれる舞台を期待している。
そんなこともわからないで、お客様にわかってしまうほど役者同士の好き嫌いが目立てば、その舞台はもう誰にも振り向かれない。主役が偉そうに威張って、わき役を罵倒していれば舞台は崩壊するだろうし、わき役が主役を無視しても舞台は崩壊する。主役が主役たるゆえんは、すべてのわき役が主役を目立つようにしてくれているから。
ゆえに主役は、偉ぶらず、すべての人に感謝し、謙虚であるべき。主役がいるからお客様が集まるのではなく、主役を惹きたてるわき役がいてこそ主役は主役を演じることが出来る。会社経営者になると、そのことを忘れ、演技することすら無視して放蕩三昧の方も見かける。その会社の業績が悪化することはその方には見えない。