士魂商才
創業100年、日本の4大証券会社と云われた山一證券は、特定顧客に2800億円もの損失補填していることがおおやけになりあっけなく倒産した。企業では、不正に手を染め、それが発覚したために倒産していった例が多い。社員でも不正に手を染め、それが発覚して仕事を失う例もある。
同じ商品であれば安ければ売れる。そこで違法コピー商品を仕入れて安く販売すれば儲かる。簡単に儲かるので、贅沢も派手になりがち。騙されるお客様が悪いと平然と言い切るブラック企業が違法に儲けていても、いつかは摘発を受けて逃げ回るようになる。正々堂々としたビジネスではない。
不正に稼いでいる企業ほど贅沢が好きで、高額な不動産や超高級ブランドを自慢する。贅沢自慢をこれ見よがしにしてくださるが、同類の者でなければ嫌みにしか受け取れない。派手な服装で超高級車に乗って、贅沢な社長室に超美人の秘書をつけて、ゴルフや超高級料亭や高級クラブに通うことが仕事だと思っている。
企業も個人も、信頼されてこそ成り立っているが、自分だけがいい目を見ようと不正に手を染めてしまうと、それを隠さなければならなくなり、嘘に嘘を上塗りするようになる。そうした状況は、まじめに働きたい社員の不信を買い、社員の信頼を失い、お客様に発覚して我が身を滅ぼしていく。
儲けにこだわり、儲けを失くす社長さんは、口角泡を飛ばしながら社員を叱咤激励し、売上目標にこだわり、社員に恐怖心を植え付ける。少しばかりの不正もイイではないかと従業員に、それとなく促したトップの姿勢は従業員をノルマという呪縛で苦しめる。末路は悲惨なのにそれに気が付かない。
お客様を裏切って商売繁盛は長続きすることはない。お客様にご満足していただき、社員が大満足し、会社が儲かる仕組み作りこそ企業トップが目指すべきこと。商売の王道を正々堂々と歩み、社員が胸を張って誇りにできる会社にして、お客様が自慢できるようにしてあげてこそ社長だと僕は思う。