一寸先は闇
儲けている会社でも、チョッとしたことで赤字企業に転落し、赤字企業になれば世間の評価は一変し、誰も寄り付かなくなる。今日の勝ち組は、明日の負け組という言葉までビジネスの世界にはある。三菱自動車、シャープ、東芝など一流の大企業でもトップの判断ミスから倒産の危機にまで発展する。
儲けているときは世間の評価は高く、どこに行ってもチヤホヤされ、講演会などにも講演者として招待されて有頂天になりがち。しかし、赤字企業になるとまさに正反対で、世間の評価は悪く、どこに行っても誰も寄り付かなくなる。有頂天になっていた社長さんほどみじめな扱いを受けることになる。
チョットしたごまかしならいいだろうという思いが大きな傷口になっていく。データの改ざん、売り上げのごまかし、赤字隠し…最初は、チョッとした動機からだがそれがドンドン広がっていく。嘘に嘘を上塗りして、従業員に不正を行うことを指示している社長さんは、どことなく横柄な態度が目立っている。
私は偉いと思っている人にはなりたくないし、そばに近寄りたくないが、チヤホヤされると人は自分が偉いと思いがち。最初は、謙虚で優しい人でも、チヤホヤされると態度がデカくなり、チョッとしたことで文句を言って謝罪させ、従わせるようになる。こうなると、手が付けられない。
お金儲けに執着して倫理観を失くし常識を失くして横柄な態度が目立っている社長さんほど、倫理、常識、感謝を強制している。長年、取引している会社を出し抜いても平気、社員にはチクリチクリと嫌味を言うのに、自分が言われると顔色を変えて感情的になっている。その狼狽ぶりは驚くばかり。
どんなに儲けても、どんなにチヤホヤされても素直さや謙虚さ、優しさを失わず、人の意見をよく聞き、常識と良識を失わない人になりたいものだ。贅沢しても当たり前と思わず、多くの人に支えられているからだと感謝できる人でありたい。自分の常識を他人に押し付けるのではなく、受け入れる懐の深さも持ち合わせたい。