怒鳴っていれば社長は楽
企業のトップになると、最後の判断は自分が決定しなければならない。起業したての頃は、観える範囲で自分の意思が働いているが、会社が大きくなるとクレーム処理などは、自分が知らない場所で、自分と会ったこともない社員がトラブルになったことで対処しなければならなくなる。初対面の社員に「土下座しろ!」と怒鳴られることもあった。
日本中で働く社員がいるようになると、どこで、どんなトラブルが発生するかしれない。社員同士、社員とお客様、業者と社員、支店の社員と本店の社員、など、社員だけでも大変だが、これにお客様も入ってくる。社長の僕にはたくさんあるうちの一つでも、現場ではたった一つの大きな出来事だけに真剣に対処しなければならない。
こうした事態に冷静に対処しなければ会社は大きくならないが、感情的になってこうした報告が入らないようにする方が多い。いつも怒鳴っている社長になると、こうした報告は入らないので楽になる。怒鳴る社長にだれも逆らわない。ただし、社員は仕事のヤル気を失くして、社長の信頼はなくなり業績は下降していく。
会議と言いながら何時間も延々と叱っている社長さんは多いが、それで業績が良くなっても一時的でしかないし、怖がっている社員は転職を考えるようになる。怒鳴る社長から信頼されれば、期待されている分に応えなければ、何をされるかわからない恐怖になる。そんなことも解らないで自分の感情に振り回されている社長は多い。