役職で仕事をしているのではない
役職を貰わないと仕事ができない人と役職に関係なく仕事のできる人がいる。僕が創業した頃、最初にパートの主婦の方を採用した。その方は、時間給で働いていたのだが、労働時間に関係なく自分が満足するまで仕事をやり続けているのに労働時間として申請しなかった。
申請すれば時給をお支払いしますよと言うと、世のため人のために仕事をしているので結構ですとお断りする。それでもと言うと、それでは会社が儲けてから支払ってくだされば結構ですと言った。仕事を完ぺきにこなす姿勢、たった二人の会社なのに僕を社長として引き立てる態度に驚いた。
会社が大きくなり、その方は当社の専務となっていただいたが、今でもその姿勢に変わりはない。役職で仕事をしているわけではないので、何でも言ってくださいと末端の部下にも親切に対応している。私は役職を失くしても給与を失くしても信頼はなくなりませんから、仕事をしていることが楽しいですと言い切る。
会社が大きくなると、役職を貰うと喜び偉そうに指示を出し、役職を失くすと落ち込み拗ねてしまう社員がいるが、仕事をしている時の仲間との信頼関係こそが大切で、それがなければ役職に就くチャンスがあっても部下の信頼を得ることができず業績を伸ばすこともできず、役職を失くすことになる。
社会人となれば、その人に役職がない時の働き方こそ大切で、役付きになれたのも無役の時の働き方が評価されたから。役職が付いてよりバリバリ働いてチョッととんがってしまい、無役になって落ち込んだり拗ねてみたりして仕事に力が入らないは大人げない。むしろ、修正してより高い評価を得るよう働くだけだ。