拡大しても儲からず
イオンの2014年3月から11月期の業績は、289億円の赤字。主力の総合スーパー(GMS)の不振が続いている。企業買収を繰り返して大きくなると、管理職が増えてきて稟議書が多くなり、決済を仰ぐのに手間取ってしまう。PB商品に力を入れてきたが、品質よりも安さを重視した戦略がお客様のニーズから外れている。
生鮮品の鮮度が悪い、安いが欲しいモノがない、PBが多すぎてメーカーの新商品が探しにくい、各事業部制度にしたことでトップが多すぎて管理職だらけになって効率的な経営ができないなど、売り上げの低迷策として、500人いた本部社員を半減して、何層にも別れている多くの責任者がいて決断が遅れているのをやめるようにした。
全国のモールに出店している僕は、各企業の本社に伺うことや店舗の店長に会うことが多いが、それぞれの本社スタッフや店長が横柄な態度に出る企業様は、総じて業績は下がる傾向にあり、テナントの意見をよく聞き、受け入れるように努力してくださる企業様は、総じて業績は上向きになっている。
モールのオープン時には、いろいろな制約もあり、積極的な販促活動もできないモールで品格を重視していると開発側が言っていたが、数か月で人が来なくなりテナントが抜け出してガラガラになっていくモールもある。こうなってから態度が急変するが、それまでに謙虚な姿勢で繁盛店をサポートしていればと思う。
企業トップの姿勢が謙虚であっても、中間管理職の方の態度が横柄で上から目線でモノを言うようであれば、その企業業績は下がるようになる。赤字になると、さすがに対策を検討して態度を改めるが、それまでに態度を改める企業様には、今のところ出会わない。企業は人なりとはよく言ったものだ。