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わかるとできる物語 序章 5 

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全国民にパソコン操作を覚えていただくには、まったくパソコンを知らない、つまり、キーボード操作を知らない方や、そもそも、ローマ字を知らない方も想定しなければならない。漢字を知らない方もいるし、右利きの方だけとは限らない。こうした方に指導するには個別学習しかないが、ひとりの生徒にひとりの先生がついてお教えするとなると、授業料は跳ね上がり、とても個人が支払えるものではない。

 

しかし、個別学習でなければまったく初めてのパソコン操作やキーボード操作、ローマ字の基本からなどの学習はできない。僕は、田舎で学習塾を経営してきたが、有名校への進学指導ができる先生を集めるのに苦労していた。教科書指導はできても有名校の受験指導はできないので、自分で指導していたが多くの生徒が集まるようになり講義をビデオに収録して学習してもらっていた。

 

学習指導は病院の診察と同じことで、初診で病状を把握して、個別に処方箋と治療方法を決めていく。医師は毎回、それが正しいのか診察することでチェックし、患者を回復へと導く。学習指導も、先生が生徒面談で学習内容を個別に決めてあげる必要がある。このとき、生徒は焦って早くやりたがるが、基本をキチンと学習し理解できていなければ、先に進んでももたつくだけだと納得させなければならない。

 

講義を映像にするのは、もう10年以上の経験があるので迷いはなかった。しかし、収録する前に、全体授業での経験を積んで、その経験をもとにシナリオを作成して検証し、収録した講義を生徒の方にお見せして、どこか修正点があれば再集録するという作業が必要だった。パソコン操作に習熟し、経験を積んでいる方を必要とした僕は手書きのチラシを書いて、近隣の家のポストに暇を見つけては入れた。

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