バカにしていた国に負ける
1945年日本は太平洋戦争で敗北し、朝鮮戦争特需で大量生産していたが粗悪品で「安かろう悪かろう」とバカにされていた。それがデミング博士の設計/製品品質/製品検査/販売などを強化する方法を知ってから品質が向上して安く高品質の商品で世界を席巻した。
中国製品が安かろう悪かろうという時代が最近まであったが、今では安くて高品質の商品が世界を席巻している。繊維産業で勝っていたが負け、造船で勝っていたが負け、弱電で勝っていたが負け、今や自動車産業で勝っていたが負けるかもしれないまでになった。
勝っている企業は福利厚生も手厚く人件費が高い。豊かな暮らしを手にした社員はこのまま幸せな暮らしがいつまでも続くと思い慢心が生まれる。新興企業はバカにされ貧乏で資金もないので、必死になって駆けずり回り資金を集めては懸命に働くしかない。
負け組の貧乏企業は、勝ち組の真似をして安い商品で伸びてくるが、勝ち組の真似をしているので何が必要で何が不必要か、何を付け足すべきかを考えて、顧客が求めている内容で低価格を実現して人気を博し、負けるはずがないと思っている大企業を追い越していく。
手厚い福利厚生費や人件費などで経費が高額になり低価格戦略がとれない企業は、貧乏な企業だとバカにしていた企業に追い越されていく。勝ち組になった企業は福利厚生費を増額し、給与を上げて経費がかさむようになって…この繰り返しが行われていく。
人件費の安い国で政局が安定していれば、そこに世界中から投資が集まり、産業が栄え暮らしは良くなり人件費があがる。そうして世界中の富が分配されていく。日本も人口1億程度の国らしい暮らしになっていく。汚職がなく政治が安定している国は栄える。